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【B Lab 研究員紹介】No.4 神永将行さん

2022.10.17

さまざまな業界の第一線でご活躍されているB Lab研究員をご紹介する「B Lab研究員紹介」シリーズ。今回は、BLab 起業家メンタルヘルス研究所でプロジェクトディレクターを務めていらっしゃる神永将行さんに話を伺いました。

神永将行
(BLab起業家メンタルヘルス研究所 プロジェクトディレクター)

コンサルティングファーム、銀行、ベンチャーキャピタルを経て独立。独立後はスタートアップ支援、新規事業立上支援等に従事。iUアクセラ・超起業学校メンター。それらの経験を経て、起業家にとってストレスマネジメントやメンタルヘルスが重要という結論に至り、BLab起業家メンタルヘルス研究所を設立。

Q. 趣味や普段から関心のあることは?

趣味は、自転車です。自転車に乗り、動く景色をみながら気持ちの良い風を感じると、日頃のストレスを軽減できます。実は自転車に乗る習慣も、元は仕方なく始めました。

私は会社勤めをしていた際にパニック障害を発症し、電車に乗れなくなりました。当時使用していた電車は、都内でも随一混雑するといわれる路線で、朝の通勤時間帯はかなり混雑していました。パニック障害になると、そうした満員電車に乗ることが怖くなるものです。もし満員電車に無理やり乗り込んでも、次の駅までは乗車時間2分位。乗り込んでドアが閉じた瞬間に、「閉じ込められた恐怖」「自由に動けない恐怖」「息苦しさ」「血がさ〜っと引いていく感じ」「激しい鼓動」などの感覚がいっぺんに来て、2分間ずっとソワソワした状態になります。

だから、会社まで電車に乗れませんでした。ただ会社は毎日行かなきゃいけない。しかし電車に乗れないからとはいえ、タクシーに乗るわけにもいかない。そのため、仕方なく自転車での通勤を始めました。これが実はよかった。単調な動きを繰り返すことは、パニック障害の症状を抑えるには最適なんです。適度に汗をかきつつ、ペダルを漕ぐ中で、徐々に症状は軽くなりました。当時はパキシルというセロトニンを再吸収する薬を飲んでいましたが、パキシルも飲まなくてよくなりました。

そんな経験を経て、今私が関心を持っているのは、「起業家のメンタル」に関する全般のことです。「起業をいつかしたい!」という人は多いのに、その中で本当に起業できる人はほんのわずか。それは何らかのメンタルブロックが発動し、起業に踏み込むことを拒否してしまうからなんです。だからこそ、メンタル要因をサポートできる仕組みがなければ若手の起業家を増やすことなんてできない、と考えています。

Q. 起業家メンタルヘルス研究所とは?

起業家メンタルヘルス研究所とは、BLabの中に設立されたLab in Labです。つまりプロジェクトとしての位置付けになります。研究所では、欧米に比べ遅れている「起業家のメンタルヘルス」について、今後研究をより深めていきたいと考えています。

一緒に研究をしてくださる研究員の方も募集しています。この分野に興味をお持ちの方は、是非一緒に研究を進めていきましょう。

Q. 今後どのような分野を主に研究される予定ですか?

起業家メンタルヘルス研究所では、今後、以下のような分野の研究を行っていきたいと考えています。

▽ 起業を目指す者が、起業を躊躇う、またはやめてしまう要因と、その要因を除去する方法に関して

▽ 上場企業オーナー数十名にヒアリングを行い、起業から現在に至るまでどのようなストレスを感じ、それらをどのように乗り越えてきたか

▽ 起業家同士におけるパワーハラスメント・モラルハラスメントに関して

▽ 幼少教育における起業家的メンタルの構築と、現状での阻害要因

▽ 「資金繰り」に対して抱く恐怖と、それを払拭する可能性に関して

以上の内容を筆頭に、他にも様々な研究を行う予定です。是非皆様のお力をお貸しいただければと思います。よろしくお願いいたします。