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【B Lab 研究員紹介】No.7 安藤 良一さん

2023.1.18

様々な業界の第一線で活躍している、B Lab研究員を紹介する「B Lab研究員紹介」シリーズ。今回は、先日新たに発足した超人スポーツプロジェクトの代表を務める安藤良一さんに話を伺いました。安藤さんが代表を務めるKINIX株式会社では、世界各国とオンライン上でKINIX World Gamesを昨年11月に開催いたしました。World Gamesの話も含め、安藤さんの価値観に迫っていきます!

安藤 良一(あんどう りょういち)
2015 年度 KMD Global Innovation Design Program にて英国王立芸術大学(Royal College of Art)、英国 Imperial College London,米国 Pratt Institute に留学。2022年、慶應義塾大学にて博士(メディアデザイン)取得。現在は、超人スポーツプロジェクト事務局長、AXEREAL株式会社代表取締役社長、KINIX株式会社代表取締役社長、KINIX Inc. President等を務める。

 

Q. KINIX World Gamesとは?

昨年11月、KINIX社で第1KINIX世界大会を日本時間の20:00より開催いたしました。日本、ドイツ、ベトナム、南アフリカの4カ国から選ばれたプレイヤー1名がインドアのサイクリングマシーンを操り、メタバース上で拮抗した試合を繰り広げました。当日の様子はTwitchなどを通して配信され、問題もなく無事終えることができました。優勝はドイツでしたが、他の国々も一歩も譲らない白熱した展開になりました!当日の様子などは、下記の動画にてご覧いただけます。

Q. KINIX World Gamesに至ったきっかけは?

 スマートバイクトレーナーを活用したデジタルとフィジカルが融合した新たなスポーツ(Figital Sports)を作り出すべく、2年前にKINIX株式会社を創設しました。背景にあったのは、既存スポーツの限界です。ワールドカップやオリンピックなどで入場制限を横目に見ながら、「現地に行かないといけない」ことへの強烈な疑問が、我々の根底の共通認識としてありました。デジタルの世界を活用すれば、地理的制約から解放され、誰もがどこからでも一緒にスポーツを楽しめるのではないか。KINIXが生み出した競技はその後超人スポーツ協会から認定競技として承認を頂き、以後この疑問を解消すべく、活動を進めてきました。そんな中、特に我々と繋がりの強いドイツFozzy氏より、ISPO(ヨーロッパ最大のスポーツEXPO)らと新たなフィジカルゲームのあり方を模索したいという相談を受けました。物理的制約を超えてオンライン上に世界中から集結する、新たなスポーツ国際大会のあり方の提示です。今回は南アフリカとベトナムからも参加者があらわれ、計4カ国での、KINIX World Gamesを開催することになりました。

Q.KINIX World Gamesを開催してみて、いかがでしたか?

 各国が「これなら勝てる」と自信を込めた選手を選出したんだと思います。とても拮抗した大試合になりました。オリンピック選手や、本物のアイアンマンのコーチも出てきたり、それぞれ確実に力入ってましたね笑。ゲームの勝利には瞬発力、漕ぐ力だけでなく、戦略性や運といった要素も必要になるため、展開も読めず一層ドキドキハラハラの試合になりました。

 運営面では、リハーサルで極めて大きいバグが見つかり、とても焦っていました。そんな中B Labからも数名の方々に参加してもらいまして、幸運なことに本番では1回もエラーが出ずスムーズに開催できて安堵しています。最悪の事態を数十パターン想定していたのですが、一つも使うことなく終えられたのはよかったです。

Q. 今後挑戦したいことは?

 有難いことに、参加した各国からは前向きな反応をたくさん頂きました。その反面、空間を超えて一緒にスポーツをすることを想像するのが難しいという声も頂きました。だからこそドイツのISPOとの連携を強固にした上で、まずはKINIX World Gamesの事例をしっかりと作りこむ方向に進めていこうと考えています。また、これまでKINIXが開発したコンテンツを盛り合わせた、KINIXフェスティバルのような大会も国内外問わず開催してみたいです。開催方法は無限大にあるので、やり方も工夫しながらできればと思います。ぜひみなさん、参加してください!!笑

Q. 安藤さんが作りたい未来とは?

 身体的多様性とさまざまな環境制約を超えることで、みんなで一緒に遊べる社会を作りたい!

 身体的制約が原因ならロボティクスで拡張し、環境的制約ならインターネットの力を使えばいい。今回の体験を経て環境制約を超えられることに確信を持てたので、次は身体制約を越えることに取り組んでいきます。80代女性と20代男性が戦ったとき、障碍に直面する方とそうではない方、それぞれが当たり前のようにプレーして、どっちが勝つか誰もわからない状況を作りだす。そんな未来があれば、また新しいスポーツの楽しみ方が生まれると思います。


Writer Profile
吉田 凌太 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科修士課程)
東京都生まれ、東京都育ち。慶應義塾法学部政治学科を卒業直前に、沖縄県国頭村に移住した際に慶應義塾大学院メディアデザイン研究科の存在を知り、試験を受け入学。研究として自律分散型組織の構築に尽力し、出身である世田谷区で地元活性に取り組むなど、自身の欲求に赴くままに活動する。