Projectプロジェクト
バリアフリーに関する応用研究
バリアフリー研究の観点や結果を活用し、高い公共性、経済性を持たせた都市設計、企業活動について研究します。
- Project Director プロジェクトディレクター
- Partner 提携先
日本大学 文理学部 情報科学科 宮田 章裕 教授
- Initiative 取り組み
人をサポートするバリフリーの考え方や技術には、都市・公共空間や鉄道等の公共交通機関の設計から防災、保健の分野に至るまで、様々な分野における設計の基準や指針となる要素が含まれています。しかしながら、現状では、こうした点が上手く活用されておらず、全ての人が利用し易い形の社会には、まだ至っておりません。また、一例として、バリアフリーマップを活用すると、一般的な業務、企業活動においても経済性の高い効果が得られると考えられますが、こうした活用も見逃されています。
そこで、本研究では、バリアフリー研究から得られる観点、結果を活用して、高い公共性と経済性を兼ね備えた都市、企業活動のあるべき姿を探求してゆきます。①バリア情報収集システム(日本大学宮田教授開発)を用いた社会実験
車椅子利用者や高齢者(以下、交通弱者と呼ぶ)に安心安全な道案内をする為には、段差、坂などの通行を阻害する要因(バリア情報)を収集し、これらを地図化したバリアフリーマップが必要となります。しかし、こうしたバリア情報の収集には膨大な労力が必要であり、容易に集めることが出来ません。そこで、バリア情報を歩行時の体の振動から効率良く収集したり、ゲームを活用して楽しみながら収集するシステム:BScanner(日本大学宮田教授開発)が開発されました。
今年度、一般の方にBScannerをご利用頂き、バリア情報を収集する社会実験を予定しており、この結果よりバリアフリーマップを作成し、下記の②③の研究を加速する予定です。②バリアフリーマップを活用したビジネス応用
バリアフリーマップを活用する事により、車椅子、パーソナルモビリティが走行し易いルートが検索できるようになるだけでなく、今後は、自走式の小型配送車が歩道上を走行する状況になることが予想されています。こうした小型配車にバリア情報を伝えることにより、より効率的で、荷崩れを起こさない安定した走行が可能になると考えられます。こうしたビジネス面においても、バリアフリーマップの応用について研究を進めています。③バリアフリーマップを活用した人の健康、リハビリテーションへの応用
バリアフリーマップがあると、健康を増進するためのウォーキングルートの策定や、事故等で下肢に損傷を負い、そのリハビリ後での回復期において、自宅付近での適切なルート策定が容易になります。こうした健康、リハビリテーション領域での活用についても研究を進めています。
【査読付き国際会議】
”Gamification Strategies to Improve the Motivation and Performance in Accessibility Information Collection” (Extended Abstracts), Akihiro Miyata, Yusaku Murayama, Akihiro Furuta, Kazuki Okugawa, Keihiro Ochiai, and Yuko Murayama,2022 ACM CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI EA ’22), 2022.”Behavioral Survey of Volunteers in Barrier Photo Collection Task”(Posters’ Extended Abstracts), Kazuki Okugawa, Tadashi Maeda, Yuko Murayama, Keihiro Ochiai, and Akihiro Miyata,24th International Conference on Human-Computer Interaction (HCII ’22) ,2022.
【学会発表】
“多様なユーザ状態を考慮したバリア情報収集システムの社会実験の検討”,
奥川和希, 村山優作, 古田瑛啓, 村山優子, 落合慶広, 宮田章裕,WIT2021-41, Vol.121,Num178,pp48-53,2021【口頭発表】
”3Dバリアセンシングとその応用”,落合慶広,川野瑛士,BFREE2021(The Third Workshop on Barrier-free Technologies and Services),
sites.google.com/view/bfree2021/