Activity Report

【B Lab 研究員紹介】No.8 中村 星太さん

2023.2.14

様々な業界の第一線で活躍する「B Lab研究員」を紹介するシリーズ。先日新たに発足したB Lab長崎の拠点オーガナイザーを務める中村星太さんに話を伺いました。早速お話をお伺いしていきましょう!

中村 星太(なかむら せいた)
長崎市出身/慶應義塾大学文学部フランス文学専攻卒業。アーティスト共創型プラットフォーム『NOVA』の代表を務め、過去には、映画やMVを監督するほか、ファッションショーやイベントの企画プロデュースなどを行う。2021年度に株式会社東北新社入社、2022年度に慶應義塾大学院メディアデザイン研究科修士課程に進学。2023年度にはB Lab長崎オーガナイザーに就任。

B Lab長崎に関して教えてください!

  B Lab長崎では、子供からお年寄りまで全世代に向けたデジタルシティズンシップ教育に取り組んでいます。長崎市教育委員会協力のもとで公民館や地域センターを活用し、デジタル技術の利用を通じて、市民が自身の力で身の回りや社会の課題を解決できるような場づくりに努めています。従来の学校教育とは異なる「社会教育」といった文脈で、新しい価値を探求するべく活動を続けています。

BLAB長崎の設立に関する詳細はこちら

なぜB Lab長崎でデジタル教育? 

  自分が生まれも育ちも長崎で、長崎を盛り上げたいという気持ちがずっとありました。また父が教育現場の第一線で勤務していたこともあり、教育の観点から何かアクションを起こせればと思っていました。行動を起こすきっかけとなったのが、父の職場である公民館に大量放置されたiPadの山々を見つけた時です。公民館の職員の多くが60代以上で、デジタルに対して知識が少ないため、鍵がかけられたまま放置されていました。

  これを改善しデジタル技術をうまく活用できたら、みんなの日常がもっと楽しくなる。そんな思いから、公民館でiPadを活用したワークショップを始めました。自身の映像制作の経験を最大限活かし、住民の方々と一緒に、何より「楽しく」映画制作することを念頭に行っています。ただiPadを使うのではなく、それを活用することで長崎の文化を再度見直せる社会教育の場としても機能してほしいと願っています。

実際にどんな活動をされましたか? 

  昨年にはiPadを活用したワークショップ、先月にはCM編集を体験してもらうワークショップを開催しました。事前に素材や音楽は運営側で用意し、参加者の皆さんには2時間かけて長崎をテーマにしたCMを作ってもらいました。当日までB Lab Edufilmの宮島君や長崎在住のクリエイターskollbeatsさんなどと真剣に議論を重ね、当日は60、70代の方々11名に参加していただきました。

  事前アンケートで「デジタルを使うのは慣れてないし、怖い」と回答が多くみられ、かなり心配だったのですが、開催してみると円滑に進みました。ワークショップ終盤では参加者の作品を共有し合い、拍手と感激が飛び交っていたのが印象的でした。今回教える側に回った自分達も、「こんなCMの作り方あるのか!」と新たな学びをたくさん得られました。そして「デジタル使うのって楽しい」「こんなの次回やってほしい!」といった声を参加者の方々から多く頂き、とてもやりがいのある体験になりました。

今後長崎で挑戦してみたいことは? 

  まずは長崎での取り組みを継続し、みんなが楽しんでデジタル技術を活用できる講座を作り上げていきたいです。テーマとする「社会教育」は自由度の高さに面白みがあります。ライフスタイルを豊かにするために、誰でも、なんでも、そして多様な媒体を組み合わせて様々な角度から挑戦できます。今後は映像以外にも、ディスコ、ファンク、ソウルとかシニア層が聞いてた懐かしい音楽を使って、DJ体験講座とかも公民館でできたらと思っています。繰り返しますが、自分たちは楽しくデジタル技術を使うことを大切にしています。その上でいろいろな企業や他自治体と連携して、さらに全国各地に広げていけたら尚更面白いですね。

最後に研究員に一言お願いします! 

  長崎を一言で表すなら、ちゃんぽん文化です。中国やヨーロッパとの交流拠点として栄えた長い歴史があり、多種多様な文化や人で満ち溢れています。伝統を大切に、新たに挑戦する人を応援する「温故知新」の文化が根付いている素晴らしい場所、それが長崎です。まだ長崎に行ったことがない方、長崎での取り組みに興味がある方、この記事を読んで面白そうと思った方、ぜひ一緒にB Lab長崎で活動しましょう!ご連絡お待ちしております!

 


Writer Profile

吉田 凌太 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科修士課程)
東京都生まれ、東京都育ち。慶應義塾法学部政治学科を卒業直前に、沖縄県国頭村に移住した際に慶應義塾大学院メディアデザイン研究科の存在を知り、試験を受け入学。研究として自律分散型組織の構築に尽力し、出身である世田谷区で地元活性に取り組むなど、自身の欲求に赴くままに活動する。